青磁の歴史は非常に古く3500年ほど前の商(殷)の時代に始まると言われ、数多の名窯が生まれますが現存しないものがほとんど。浙江省の龍泉も一時は衰退するものの復興を遂げ、その技術は世界遺産(無形遺産)に認定されています。龍泉でも特に代表的な粉青と梅子青の磁器をご紹介いたします。
◆龍泉青磁について
青磁とは青磁釉を施した磁器のことで、その起源は紀元前14世紀頃の商の時代にまで遡ります。大きく言えば釉薬や土に含まれる鉄分が高温で焼成することによって発色します。きれいに発色させるため釉薬を厚くする必要があり、これが玉のようと称えられる青磁の特徴となっています。
唐代の越窯、宋代の龍泉窯、官窯、汝窯、耀州窯など数々の著名な窯が生まれますが、窯が現存していないだけでなく、品自体が残っておらず文献上の存在、といった窯もあります。その中で龍泉窯は、明代以降、青花磁器の隆盛や倭寇を一因とする海外貿易の制限政策といった諸条件によって衰退しつつも長く青磁生産の拠点として知られてきました。
そして、1957年、周恩来による復興の指示を受け、新たな局面を迎えます。2009年には龍泉青磁の伝統工芸技術が世界遺産(無形遺産)に認定され、現在では人口30万人足らずの龍泉に100を超える工房があり、芸術面でも高い評価を得て新たな繁栄の時代を迎えています。