紫砂の茶壺はお茶の渋みをとり、まろやかな味に変化させるといいます。紫砂茶具の花形はなんといっても茶壺、伝統的な形を中心に数多く取り揃えています。また、杯、茶海、蓋碗、茶寵など幅広い茶器を集めましたので一式紫砂でお求めいただくこともできます。
◆紫砂茶壺について
紫砂の茶器は釉薬を使わず、土の持つ本来の色を十分に引き出しています。焼成後の色は暖かみがあり、素朴さと可愛いらしさを兼備。俗な感じのない率直な魅力が文人の気質にあったと言われ、古くから愛されてきました。花盆など様々な器が作られていますが、何といっても紫砂を代表するのは茶壺です。
紫茶茶壺の特長
紫砂茶壺においては造形美とともに実用美も重視されます。
これも紫砂が愛される理由のひとつであり、次のような特長があると言われます。
雑味を取り除く
保温性が高く、熱くなりにくい
膨張率が低く熱湯でも割れにくい
使うにつれ静かな光沢を増す
茶の成分を内部に蓄積し茶の香りを高める
微小な気孔が多く通気性があり、夏に一晩おいても茶が悪くならない。
※温度差に強い、あるいは一晩おいても悪くならないと言われているのは事実ですが、無理な使い方は避けてください。割れないことや、茶が悪くならないことを保証するものではありません。
古窯として知られる宜興市
現在、中国の国家標準において、紫砂の定義は土の性質に基づいてなされていますが、古来、紫砂としてその名を知られたのは、 江蘇省の宜興市丁蜀鎮一帯で産出する土、あるいはその土で作った陶器です。現在も宜興紫砂は市場価値においても他を圧倒する存在です。 中でも、原鉱と呼ばれる掘り出したままで加工や混ぜ物をしていない土が珍重されています。
茶杯を作ってみてもらいました。
造形の芸術
その制作にあたっては一般に土の処理から成形の全工程をひとりで行うことができるので、良い茶壺を作るには制作者の技術や芸術的素養、経験が不可欠です。品質の高い品はまず土の選別や制作時の水分量の調整に始まり、焼成の際の窯内の位置、酸素量、温度など深く考慮されています。
当店で販売している紫砂茶器は本場宜興市の作家の手になるもの。安価なものはあまりありませんが、その中でも作家の力量と評価によって価格にはかなりの差が出ます。買い付けにあたってはまずは全体のバランスや中面の造作の水準を確かめ、その上で日本人にも受け入れやすい過度に装飾のなされていないものを選んでいます。芸術品ですので、ものの良し悪しだけで値段は決まらないということもあり、中国国内で流通している価格もチェックした上で購入し、皆様に販売しています。